「消費者金融の広告」なぜ信頼感と怪しさが共存しているのか?デザインの特徴まとめ

消費者金融の広告を見たとき、「安心できそう」 と感じる一方で、「本当に大丈夫?」 と疑ってしまうことはありませんか?
「すぐ借りられる!」「安心のサポート体制!」といったメッセージが並ぶ広告ですが、なぜこのように信頼感と怪しさが共存してしまう のでしょうか?
この記事では、消費者金融の広告デザインに焦点を当て、安心感を演出する工夫 と 逆に怪しさを感じさせてしまう要因 を解説します。
消費者金融の広告が「信頼感」を演出するデザインの特徴
消費者金融は、お金を借りるサービスである以上、ユーザーに「安心して利用できる」と思ってもらう必要があります。そのために、広告のデザインには以下のような工夫がされています。
1. 柔らかい色使いで安心感を演出
消費者金融の広告では、青・緑・オレンジ などの柔らかい色がよく使われます。
- 青:「誠実さ」「信頼感」
- 緑:「安心感」「穏やかさ」
- オレンジ:「親しみやすさ」「温かみ」
これらの色を組み合わせることでユーザーの警戒心を和らげ、「お金を借りることは怖くない」という印象を持たせています。
2. 親しみやすいキャラクターやタレントを起用
CMや広告では、有名タレントやかわいいキャラクターを使うことで、親しみやすい雰囲気や「怖い金融業者ではない」というイメージを演出しています。
また、CMなどでの動画では優しい口調で話しかけるナレーションや明るいBGM も、「怖くない」「安心できる」という印象を強める要素です。
3. 「すぐ借りられる」より「安心して借りられる」を強調
最近の消費者金融の広告では、「即日融資OK!」のような直接的な訴求よりも、「計画的に」「安心サポート付き」 など、安全性を重視するメッセージが増えています。
これは、金融庁の規制強化の影響もあり、より信頼性を打ち出す必要が出てきたためです。
SNSでよく見る消費者金融の広告の特徴
最近では、消費者金融の広告もSNSに最適化され、より自然に、より目に留まりやすい工夫 がされています。
特に、InstagramやTwitter(X)、YouTube、TikTokなどでよく見かける広告には、以下のような特徴があります。
1. 一見、消費者金融の広告だとわからない投稿風のデザイン
SNSでは、「いかにも広告」なものはスルーされがち です。
そのため、SNSでは「広告っぽさ」を消した、普通のユーザー投稿のように見せかけた広告が増えています。
例
- 「最近の生活の悩み」 という形で、ストーリー仕立ての投稿
- 「お金の管理方法」 などのライフハック投稿に紛れ込ませる
- 「知っておきたい豆知識!」 として、実は消費者金融のサービス紹介
こうした「投稿風の広告」は、一見すると消費者金融とは関係ないように見えるため、自然と興味を引く狙いがあります。
2. かわいい動物(猫・犬・うさぎ)を使った広告
SNSでは、動物の画像や動画が圧倒的に人気 です。そのため、消費者金融の広告にも「猫」や「犬」、「うさぎ」などのかわいい動物が登場することが増えています。
例
- 「困った顔の猫」 + 「ピンチのときに頼れる!」
- 「安心した顔の犬」 + 「スピーディーに解決!」
- 「びっくりするうさぎ」 + 「えっ!?今なら低金利?」
このように、動物の感情を借り入れの悩みや安心感にリンクさせることで、警戒心を和らげ、親しみを感じさせる のがポイントです。
3. 縦長・シンプルなデザインでスマホに最適化
SNS広告はスマホで見ることが前提なので、縦長のレイアウト や 大きな文字・シンプルなデザイン が主流です。
特に、ストーリー広告(Instagram・TikTokなど) では、スクロールされる前に 3秒以内でインパクトを与える ことが重要とされています。
例
- 背景に淡いグラデーション + 「お金が足りない…😢」のテキスト
- 数秒後に「そんな時は〇〇で即解決!」とCTA(行動喚起)
これにより、ユーザーは短時間で広告内容を理解できます。
4. 短い動画やアニメーションを活用
静止画よりも 動きのあるアニメーションや動画 の方が目を引きやすいため、SNSではGIFアニメや短い動画広告がよく使われます。
特に、TikTokやInstagramリールでは、ポップアップ風にキャッチコピーを表示する 形式の広告が増えています。
例
- 「急な出費…😨」のテキストが震えるアニメーション
- 「すぐ借りられる!」のテキストがジャンプして登場
- 「今すぐチェック!」のボタンが点滅
こうすることで、視覚的にユーザーの目を引く工夫がされています。
5. ターゲット別の広告コピー
SNS広告は、ユーザーの興味関心に合わせたターゲティングが可能なため、「主婦向け」「学生向け」「ビジネスマン向け」 など、ターゲットごとに異なるメッセージが発信されています。
例えば、
- 学生向け:「バイト代が入る前にピンチ?少額OK!」
- サラリーマン向け:「給料日前の出費も大丈夫!」
- 主婦向け:「家計のやりくりに困ったら、まずはチェック!」
このように、ターゲットに寄り添った訴求 が特徴です。
6. 限定感を強調するフレーズ
「今だけ!」や「特別金利キャンペーン!」などの 期間限定感を演出 するフレーズがよく使われます。
これは、ユーザーに「今申し込まないと損をするかも?」という心理を働かせる効果があります。
例
- 「初回限定!金利0%キャンペーン中!」
- 「今月末までの特別プラン!」
- 「今すぐ申し込むと特典あり!」
この手法は、ECサイトなどのマーケティングでもよく使われるテクニックですね。
7. 口コミ・レビューを活用
SNSでは、「実際に借りた人の声」 を取り入れた広告も多く見られます。
特に、「〇〇さんの投稿」として口コミ風のデザインにすることで、よりリアルに感じられる工夫がされています。
例
- 「〇〇さん(25歳・会社員):審査が早くて助かった!」
- 「△△さん(30歳・主婦):安心して利用できました😊」
こうした口コミは「本当に使った人が満足しているんだ!」という安心感を与える反面、過剰な演出は逆に怪しまれる ので、そのバランスも重要です。
日本で有名な消費者金融のCMと特徴まとめ
TVやネットでよく見る、日本で有名な消費者金融のCMと特徴をまとめてみました。
1. アコム(ACOM)
CMの特徴
アコムでは、2024年9月から新シリーズCM「Acom Stories」を展開しており、日常に潜む“いま必要な想い”にフォーカスしています。例えば「妹の結婚式」篇では、家族の温かさやちょっとした困りごとに寄り添う演出で、単なる金銭サービスではない“人間味”を伝えています。
- キャッチフレーズ:「はじめてのアコム」
- 特徴:人間味あるストーリー性を前面に
- テーマカラー:赤
- ポイント:感情に訴える温かみ+スピード感
- ターゲット層:20〜40代の幅広い層、特に初めて借りる人
「ラララ無人君」ってCMはいつまであったんだろう?
2. アイフル(Aiful)
CMの特徴
アイフルは、2018年から続く「女将さん」シリーズを展開しており、“愛があるかどうか”を問いかける名物女将が登場します。大地真央さん演じる女将がさまざまな風貌で現れ、人情味あふれるセリフと眼差しで、”借りること”への心理的ハードルを軽やかに飛び越えさせてくれます。
- キャッチフレーズ:「そこに愛はあるんか?」
- 特徴:コメディ要素+人情ドラマの融合
- テーマカラー:赤
- ポイント:強烈なキャラで認知度UP
- ターゲット層:幅広い世代(20〜50代)
「どうする?アイフル」も懐かしい。。
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3. プロミス(PROMISE)
CMの特徴
2023年から展開されている「プロミス号」シリーズでは、艦長の浜田雅功さんと助手の小野花梨さんが登場し、働く人やチャレンジする若者を応援する姿勢がにじむ演出が続いています。浜田さんのしみじみとした「応援してあげたいなー。」の呟きと、「プロミスいいね!」と明るく背中を押すシーンが印象的。
- キャッチフレーズ:「あなたにいいねをプロミス」
- 特徴:前向きで応援するような雰囲気
- テーマカラー:青・黄色
- ポイント:好感度の高い演出で安心感
- ターゲット層:20〜40代の働く層
「プロミス号スペシャルページ」というCM用の専用サイトがあり、ポップでとてもかわいかったです!消費者金融だということを忘れてしまう。。
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4. レイク
CMの特徴
2023年ごろから、人気お笑いコンビ・千鳥さんが出演するCMシリーズでは、日常の“あるある”を笑いに変えて、「こんな時にレイクがあったら…」と自然にサービスが印象づくよう工夫されています。機転の利いたやり取りで、借入への抵抗感をゆるやかに溶かす戦略。
- キャッチフレーズ:「レはレイクのレ」
- 特徴:芸人の親しみやすさでアプローチ
- テーマカラー:緑
- テーマ曲:昭和のヒットソング「太陽がくれた季節」の替え歌
- ポイント:ユーモア × スピード融資
- ターゲット層:20代~30代の会社員・フリーター層
「レ・レ・レイク♪」も懐かしい。
「レイクのCM特設サイト」もかなり遊び心満載で面白いです!
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5. SMBCモビット
CMの特徴
執事の竹中直人さんとお嬢様のやりとりで知られる「バトラーシリーズ」は、なんと2019年から続いています。お困りごとをスマートに解決する様子やコミカルで洒落た世界観が特徴。最近のCMでは「怪しくてごめんね」とあえて怪しさに触れる思い切った演出もあり、印象的でした。
- キャッチフレーズ:「モビットですから♪」
- 特徴:スタイリッシュで知的な演出
- テーマカラー:青・白
- ポイント:品格と信頼感の演出に成功
- ターゲット層:30代〜50代のビジネスパーソン
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モビットといえば竹中直人さんの印象がありますね!面白くて大好きです。
それでも「怪しさ」を感じてしまう理由
一方で、消費者金融の広告には「なんか怪しい…」と感じてしまう要素もあります。
1. 「お金を借りる=悪いこと」という印象がある
日本では「借金=良くないこと」という価値観が根強くあります。そのため、どれだけ広告でクリーンな印象を与えても、「借金を勧めてくる業者」というイメージがついて回るのです。
2. 「簡単に借りられる」ことが逆に不安を煽る
広告では「簡単・スピーディー」を強調しますが、これは逆に「借りすぎてしまうかも?」という不安を引き起こします。
「こんなに簡単にお金が借りられて大丈夫?」と警戒心を持つのは、ある意味、健全な反応とも言えますね。
3. 金利や返済条件が小さく書かれている
広告のメインビジュアルには「最短即日!」「審査スピーディー!」といったポジティブなワードが目立ちますが、肝心の金利や返済条件の詳細は小さな文字で記載 されています。
「美味しい話には裏があるのでは?」と感じてしまうのも無理はありません。
消費者金融の広告はデザインのバランスがカギ
消費者金融の広告は、信頼感と怪しさが同居する絶妙なバランス の上に成り立っています。
特にSNSでは、「広告らしく見せないデザイン」や「親しみやすい動物の活用」など、従来の広告とは異なるアプローチ が求められています。
- 安心感を与えるデザイン(柔らかい色・親しみやすいキャラ・優しいコピー)
- SNSに適した広告手法(投稿風デザイン・動物・短尺動画)
ただし、どれだけデザインが洗練されても、消費者の「お金を借りることへの警戒心」を完全に消すことはできません。
この矛盾こそが、消費者金融の広告が「信頼感」と「怪しさ」を同時に持つ理由なのです。
よくある質問(FAQ)
まとめ
消費者金融の広告が「信頼感」と「怪しさ」を併せ持つのは、 借金への抵抗感 と 安心して利用してほしいという広告の意図 がせめぎ合っているからです。
そのため、広告デザインには 柔らかい色使い・親しみやすいキャラクター・シンプルで分かりやすいフォント などが用いられています。
しかし、消費者金融の本質は「お金を借りるサービス」。広告がどれだけ魅力的でも、しっかりと金利や返済計画を理解した上で利用することが大切です。
SNS広告は今後も進化し、より自然に、より心理的ハードルを下げる方向へ進んでいくでしょう。
今後の消費者金融の広告がどのように進化していくのか、デザインの視点からも注目です!
それではみなさんご一緒に
「ご利用は、計画的に!!!」