ロゴは小さく使われる前提で作れ!可読性を保つ設計ルール

「名刺やSNSのアイコンにロゴを入れたら、潰れて見えない…」
そんな経験はありませんか?
実はロゴは、“小さく使われることを前提に設計する”のが基本なのです。
看板やポスターで大きく見せることもありますが、それ以上に名刺・Web・アプリ・ファビコンなど、ごく小さな表示で使われる場面の方が圧倒的に多いのです。
今回は、小さくしても読める・伝わるロゴの作り方を、有名企業の実例やデザイナー目線の失敗例とともにわかりやすくご紹介します。
小さく使われるロゴ、こんなに多い!
● 具体的な使用例

使用シーン | サイズ |
---|---|
SNSプロフィール画像 | 約110×110px |
スマホアプリのファビコン | 16×16px |
名刺 | 幅2〜3cm程度 |
こうした場面では、細い線や凝った装飾がつぶれてしまったり、文字が読めなくなったりすることがあります。
ロゴは「小さく表示されても視認性を保てること」がとても重要なのです。
可読性を保つロゴ設計ルール
ルール 1|細すぎる線はNG!最低線幅は0.25pt以上

ロゴの線が細すぎると、縮小時や印刷時に見えなくなります。
特にWebで小さく表示される場面では「消えたように見える」ことも。
推奨:0.25pt(約0.09mm)以上の太さを保つこと
ルール 2|文字間は詰めすぎず、読みやすさをキープ
カーニング(文字間)は適切に取りましょう。詰めすぎると、縮小時に文字が重なって判読不能になるリスクがあります。
おすすめフォント
- サンセリフ体(例:Helvetica、Noto Sans、Montserrat)
- 細く飾りの多い筆記体・装飾体は非推奨です
ルール 3|縦横比はなるべく正方形に近づける
極端に横長・縦長のロゴは、SNSアイコンやアプリバナーに収まりづらくなります。
応用例:横長ロゴ+正方形アイコン用ロゴ(セカンダリーロゴ)を用意
推奨:1:1~3:2の範囲内で構成
【NG例】小さくすると潰れてしまうロゴの例
小サイズで使うことを想定していないロゴは、文字が潰れる・装飾が飛ぶ・認識できないなど、視認性の問題が発生します。
ここでは、実際にありがちなNGパターンを2例ご紹介します。
例1|細い筆記体ロゴ
オリジナル | 縮小表示(32px) |
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飾り文字が潰れて、何と書いてあるか分かりにくくなってしまうため、細い筆記体は縮小表示に非常に弱いです。
例2|極端に横長なロゴ
オリジナル | 縮小表示(32px) |
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このサイズだとまだ読める? | もはや線…文字として認識するのは困難 |
横長すぎるロゴは表示エリアに対して縮小されすぎて視認性が著しく低下します。
文字の折り返したり、セカンダリーロゴが必要です。
これらのNG例を参考に、ロゴは“縮小表示される前提”で設計することが非常に重要だとわかりますね。
次のセクションでは、有名ブランドの優れた縮小対応ロゴを見ていきましょう!
有名ロゴの“縮小でも強い”設計をチェック!
ブランド名 | 特徴 |
---|---|
Apple | ・文字なしでも通じるシンボル ・極限までシンプルなデザイン |
Nike | ・線の太さ・角度の設計が絶妙 ・単体で世界的に認知される図形ロゴ |
Netflix | ・太字+シンプルな1文字ロゴ ・アプリアイコンとしても高視認性 |
このように、どのブランドも「情報を削ぎ落としたシンプル設計」が特徴であり、縮小しても伝わる=“視認性の強さ”につながっています。
ロゴ設計に取り入れたい最新トレンド
- ダークモードでも視認性の高い配色設計
- モバイルファースト時代の極小表示を前提とした設計
- アイコンやアバター用途のセカンダリーロゴの活用
ロゴのバリエーションはこう使い分けよう
種類 | 用途 | 特徴 |
---|---|---|
プライマリーロゴ | メインで使用 | 色・文字・図形含む |
セカンダリーロゴ | 小サイズ用 | アイコン、頭文字版など |
モノクロロゴ | 印刷物・単色制限時 | グレースケール or 黒白 |
インバースロゴ | 暗背景用 | 白文字・背景に映える設計 |
ロゴは一つで完結しない時代。
用途に合わせたバリエーション展開が、ブランドの柔軟さとプロらしさを際立たせます。
ロゴ制作のよくある質問(FAQ)
まとめ|ロゴは「縮小前提」で設計することがプロの基本
ロゴは、大きく見せることだけが目的ではありません。
どんなサイズでも「伝わる」ことこそが、本当に優れたロゴの条件です。
AppleやNetflixのようなブランドに共通するのは、情報を削ぎ落とした先の、シンプルな設計力。
あなたのロゴも、ぜひ“縮小しても伝わる強さ”を備えたデザインに仕上げてください。