パンフレットやDMは折り方で印象が変わる?開き方・読み順まで考える印刷加工の選び方

パンフレットやDMを作るとき、デザインの見た目にはこだわっていても、「折り方」や「印刷加工」までは深く考えられていないことがあります。
しかし、パンフレットやDMの印象は、紙面デザインだけで決まるわけではありません。
二つ折りにするのか、三つ折りにするのか。
開いたときにどの情報が最初に見えるのか。
箔押しやエンボスなどの特殊加工を入れるのか。
郵送しやすいサイズにするのか、手渡しで印象に残る仕様にするのか。
こうした設計によって、読みやすさや高級感、持ち帰りやすさ、問い合わせへのつながり方は変わります。
ただし、折り加工や特殊加工は、入れれば良いというものではありません。目的に合っていない加工は、費用や納期が増えるだけで、読者にとって分かりにくい印刷物になる場合もあります。
この記事では、パンフレットやDMの折り方・開き方・読み順まで考えた印刷加工の選び方を、実務目線で解説します。
パンフレットやDMは「折り方」で印象と読みやすさが変わる
パンフレットやDMの折り加工は、紙をコンパクトにするためだけのものではありません。
折り方によって、最初に見える面、開いたときの情報量、読み進める順番が変わります。
折り加工は見た目だけでなく情報設計にも関わる
折り加工を入れると、1枚の紙に複数の面が生まれます。
たとえば、二つ折りなら表紙・中面・裏表紙のように見せ方を分けられます。三つ折りなら、開く順番に合わせて情報を段階的に見せることができます。
つまり、折り加工は単なる加工ではなく、情報をどの順番で読んでもらうかを設計するための要素でもあります。
| 折り加工の役割 | 期待できる効果 |
|---|---|
| 紙面を分ける | 情報を整理しやすくなる |
| 開く順番を作る | 読み手を自然に誘導できる |
| 持ち運びやすくする | 手に取りやすく、保管しやすい |
| 印象を変える | 丁寧さ・高級感・特別感を出しやすい |
デザインを考える段階で折り方を決めておくと、表紙、中面、裏面の役割を整理しやすくなります。
開く順番がそのまま読む順番になる
折りパンフレットやDMでは、読者がどの順番で紙面を見るかが重要です。
最初に見える面には、何の案内か分かる見出しやメインビジュアルを置く。
開いた中面には、詳しい説明やメリットを載せる。
最後に見る面には、問い合わせ先やQRコードを配置する。
このように、開く順番に合わせて情報を配置すると、読み手が迷いにくくなります。
反対に、折り方を考えずにデザインすると、開いたときに重要な情報が分断されたり、問い合わせ導線が見つけにくくなったりすることがあります。
加工を入れれば良いとは限らない
折り加工や特殊加工は、印象を高めるために有効な場合があります。
しかし、すべてのパンフレットやDMに加工が必要なわけではありません。
短期間のキャンペーンDMであれば、シンプルなはがきやチラシの方が向いている場合もあります。営業資料として長く使うパンフレットであれば、折り加工や紙質にこだわる価値があるかもしれません。
大切なのは、加工の有無を見た目だけで決めるのではなく、目的・配布方法・予算・読まれる場面から判断することです。
代表的な折り加工と向いている用途
折り加工にはさまざまな種類があります。
ここでは、パンフレットやDMで使われやすい代表的な折り方と、向いている用途を整理します。
二つ折り
二つ折りは、紙を半分に折るシンプルな加工です。
表紙、中面、裏面の構成を作りやすく、会社案内、サービス案内、店舗案内、イベント案内など幅広く使えます。
情報量が多すぎない場合や、見開きで大きな写真・図版を見せたい場合に向いています。
| 向いている用途 | 理由 |
|---|---|
| 会社案内 | 表紙と中面で情報を整理しやすい |
| サービス案内 | 見開きで内容を分かりやすく伝えられる |
| 店舗紹介 | 写真と説明をバランスよく配置できる |
二つ折りは分かりやすい一方で、情報を詰め込みすぎると中面が重くなります。載せる情報の優先順位を整理しておくことが大切です。
巻三つ折り・外三つ折り
三つ折りは、1枚の紙を3つの面に分ける折り方です。
巻三つ折りは内側に折り込む形、外三つ折りはZ字のように折る形です。どちらもコンパクトにまとまり、DMや店舗案内、サービス紹介に使いやすい折り方です。
三つ折りでは、どの面が最初に見えるか、開いたときにどの順番で読まれるかを考える必要があります。
| 折り方 | 特徴 | 向いている内容 |
|---|---|---|
| 巻三つ折り | 封入しやすく、情報を段階的に見せやすい | DM、サービス案内、店舗案内 |
| 外三つ折り | 面ごとの情報が見えやすく、展開感がある | イベント案内、商品紹介、簡易パンフレット |
三つ折りは便利ですが、面の順番を間違えると読みにくくなります。デザイン前に展開図を確認しておきましょう。
観音折り
観音折りは、左右の面を内側に折り込み、開く動きに特徴がある折り方です。
開いたときの演出感があるため、高級感を出したいパンフレットや、特別な案内、ブランド紹介などに向いています。
一方で、設計が複雑になりやすく、紙面の順番や内側に入る面のサイズ調整にも注意が必要です。
観音折りを使う場合は、見た目の面白さだけでなく、読者が迷わず開けるか、重要な情報が自然に見えるかを確認しましょう。
DM折り
DM折りは、郵送や封入を想定した折り方として使われることがあります。
チラシをそのまま送るのではなく、コンパクトにして封筒に入れたり、郵送しやすいサイズに整えたりする場合に検討されます。
DMで重要なのは、開封前・開封後・読了後の流れです。
- 封筒や表面で興味を持ってもらう
- 開いた瞬間に内容が分かる
- 詳しい情報を読み進められる
- 問い合わせや来店につながる導線がある
DMとして使う場合は、デザインだけでなく、郵送サイズ、重さ、封入方法、宛名面の扱いも確認しておきましょう。
特殊加工で印象を変える考え方
特殊加工は、パンフレットやDMに質感や特別感を加える方法です。
ただし、加工は目的に合っていると効果的ですが、目的が曖昧なまま入れると、費用だけが増えてしまう場合があります。
箔押し
箔押しは、金・銀・カラー箔などを使って、ロゴやタイトル、装飾部分を目立たせる加工です。
高級感や特別感を出したい場合に向いています。
たとえば、以下のような印刷物で検討しやすい加工です。
- 会社案内
- ブランドパンフレット
- 招待状
- 記念DM
- 高価格帯の商品案内
ただし、箔押しを入れすぎると情報が散らかって見えることがあります。ロゴや見出しなど、目立たせたい部分を絞ることが大切です。
エンボス・デボス
エンボスは紙面を浮き上がらせる加工、デボスはへこませる加工です。
視覚だけでなく、手触りでも印象を残せる点が特徴です。
会社案内やブランドツールなど、手に取ったときの質感を大切にしたい印刷物に向いています。
一方で、細かすぎる図柄や薄い紙では効果が出にくい場合があります。デザイン段階で、加工に適した形状や紙質を考えておく必要があります。
PP加工・ニス加工
PP加工は、印刷物の表面にフィルムを貼る加工です。光沢感を出すグロス系や、落ち着いた印象のマット系があります。
ニス加工は、印刷面に透明なニスを塗る加工です。全体にツヤを出したり、一部だけ質感を変えたりする場合に使われます。
これらの加工は、見た目の印象だけでなく、印刷面の保護や耐久性にも関わります。
| 加工 | 向いている印刷物 | 主な目的 |
|---|---|---|
| PP加工 | パンフレット、メニュー表、会社案内 | 質感向上、耐久性、汚れ対策 |
| ニス加工 | DM、チラシ、パンフレット | ツヤ感、視線誘導、表面保護 |
| 箔押し | 表紙、招待状、高級感のあるDM | 特別感、ブランド感、視認性 |
| エンボス | 会社案内、ブランドツール | 手触り、立体感、上質感 |
加工はブランド感と目的で選ぶ
特殊加工を選ぶときは、「目立ちそうだから」ではなく、ブランド感や販促目的に合っているかを確認しましょう。
親しみやすさを出したい店舗DMに、重厚な箔押しが合うとは限りません。逆に、高価格帯の商品案内や企業のブランドパンフレットでは、紙質や加工が信頼感を支える場合があります。
加工はデザインの主役ではなく、伝えたい印象を補強するための手段として考えることが大切です。
折り加工・特殊加工を選ぶ前に確認したいこと
折り加工や特殊加工を選ぶ前に、まず印刷物の目的と使われる場面を整理しましょう。
誰に渡す印刷物か
パンフレットやDMは、誰に渡すかによって適した仕様が変わります。
| 相手 | 意識したいこと |
|---|---|
| 初めての見込み客 | 何の案内か一目で分かること |
| 既存顧客 | キャンペーンや新サービスが伝わること |
| 法人担当者 | 信頼感や実績が伝わること |
| 店舗来店者 | 持ち帰って見返しやすいこと |
相手によって、必要な情報量や印象は変わります。
どこで読まれるか
パンフレットやDMは、読まれる場所によって適した形が変わります。
商談中に手渡すなら、開きながら説明しやすい二つ折りや冊子型が向いている場合があります。郵送DMなら、封入しやすさや開封後の分かりやすさが重要です。店頭に置く場合は、手に取りやすいサイズや表紙の見え方も大切です。
読まれる場面を想定すると、折り方や加工の必要性を判断しやすくなります。
郵送するか手渡しするか
DMとして郵送する場合は、仕上がりサイズ、重さ、封筒の有無、宛名面の扱いを確認する必要があります。
郵送費はサイズや重量で変わるため、デザイン後にサイズを調整しようとすると、作り直しが発生する場合があります。
一方、手渡し用のパンフレットであれば、多少サイズが大きくても、見開きの迫力や紙質の印象を重視できる場合があります。
郵送する印刷物は、デザイン前にサイズと重さの条件を確認しておくことが大切です。
紙質・厚み・納期・予算
折り加工や特殊加工は、紙質や厚みとの相性があります。
厚い紙は高級感を出しやすい一方、折り目が割れやすい場合があります。特殊加工は印象を高める一方で、通常印刷より納期や費用が増える場合があります。
確認したい項目は以下です。
- 紙の厚み
- 折り目の仕上がり
- 加工に対応できる紙質
- 部数
- 印刷・加工・発送までの納期
- 加工費を含めた総予算
デザインだけ先に進めるのではなく、印刷仕様も同時に確認しておくと安心です。
よくある失敗と改善ポイント
折り加工や特殊加工を使った印刷物では、デザイン段階の確認不足が仕上がりに影響することがあります。
開いたときの情報順が考えられていない
折りパンフレットでは、折った状態と開いた状態の両方を考える必要があります。
表紙だけはきれいでも、開いたときに情報の順番が分かりにくいと、読者は内容を理解しにくくなります。
改善するには、展開図を見ながら、以下を確認しましょう。
- 最初に見える面で内容が分かるか
- 開いたときに自然な順番で読めるか
- 問い合わせ先が最後に見つけやすいか
- 重要な情報が折り目で切れていないか
加工がデザインの目的と合っていない
特殊加工は印象を強める一方で、使い方を誤ると違和感につながる場合があります。
たとえば、親しみやすさを出したいDMに高級感の強い加工を入れると、サービスの印象とズレることがあります。反対に、上質感を伝えたい会社案内で紙質や加工が軽すぎると、信頼感が弱く見える場合があります。
加工は、見た目の好みではなく、伝えたいブランドイメージに合わせて選びましょう。
郵送サイズや重さを後から確認してしまう
DMでは、郵送サイズや重量の確認が重要です。
デザインや加工を決めた後に、封筒に入らない、送料が想定より高くなる、宛名面が確保できないと気づくと、再調整が必要になります。
DMを作る場合は、初期段階で以下を確認しておきましょう。
- 郵送するか、手渡しするか
- 封筒に入れるか、はがき型にするか
- 仕上がりサイズは適切か
- 紙の厚みや重さは問題ないか
- 宛名・差出人情報のスペースがあるか
印刷物はデザインだけでなく、配布・郵送まで含めて設計することが大切です。
よくある質問
パンフレットには折り加工を入れた方がよいですか?
目的によります。情報量が多い場合や、開く順番に沿って内容を伝えたい場合は折り加工が向いています。一方、短期間の告知やシンプルな案内であれば、折り加工を入れない方が分かりやすい場合もあります。
二つ折りと三つ折りはどちらが使いやすいですか?
二つ折りは見開きで大きく見せやすく、会社案内やサービス紹介に向いています。三つ折りはコンパクトにまとまりやすく、DMや店舗案内に使いやすいです。載せる情報量と配布方法で選ぶと判断しやすくなります。
特殊加工は高級感を出したいときだけ使うものですか?
高級感の演出に使われることは多いですが、それだけではありません。PP加工やニス加工は耐久性や表面保護にも関わります。箔押しやエンボスは、ロゴやタイトルを印象づけたい場合にも使われます。
DMで折り加工を使うときの注意点はありますか?
郵送する場合は、仕上がりサイズ、重さ、封筒の有無、宛名面のスペースを確認しましょう。デザイン後に郵送条件を確認すると、サイズ調整や再レイアウトが必要になる場合があります。
加工の種類はデザイン制作時に決めるべきですか?
できるだけ早い段階で決めるのがおすすめです。折り方や特殊加工によって、余白、文字位置、写真の配置、紙質、納期が変わる場合があります。デザインと印刷仕様を同時に考えると、仕上がりのズレを減らしやすくなります。
まとめ
パンフレットやDMの印象は、デザインだけでなく、折り加工や特殊加工によっても変わります。
二つ折り、三つ折り、観音折り、DM折りなどの折り方は、紙面を分けるだけでなく、読者が情報を読む順番にも関わります。
また、箔押し、エンボス、PP加工、ニス加工などの特殊加工は、ブランド感や質感を高める手段になります。
ただし、加工は入れれば良いというものではありません。
検討するときは、以下を確認しましょう。
- 誰に渡す印刷物か
- どこで読まれるか
- 郵送するのか手渡しするのか
- どの順番で読んでもらいたいか
- 紙質や厚みとの相性はどうか
- 加工費や納期に無理がないか
- ブランドイメージに合っているか
- 問い合わせや来店への導線があるか
折り加工や特殊加工は、見た目を飾るためだけではなく、読みやすさ・印象・行動導線を整えるための設計要素です。
パンフレットやDMを作るときは、デザインと印刷加工を別々に考えるのではなく、最初の段階から「どう開かれ、どう読まれ、どう行動につながるか」まで考えておきましょう。
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