修正が多いデザイン案件の共通点|最初のヒアリングで足りていないものとは

デザイン案件で、こんな経験はないでしょうか。
最初はシンプルな依頼のはずだったのに、気づけば修正が何度も発生している。
方向修正が続き、時間もコストも増え、最後には「最初からやり直したい」に近い状態になる。
こうした手戻りは、デザインが悪いから起きるとは限りません。
むしろ実務では、最初のヒアリングで整理しきれていないことや、誰がどう判断するかが決まっていないことが原因になっているケースが少なくありません。
ただし、ここでひとつ整理しておきたいことがあります。
修正そのものは悪いことではありません。
改善のための見直しは、正常な制作プロセスの一部です。
問題なのは、修正があることではなく、同じ論点で何度も迷う手戻りや、判断基準がないまま進んで大きく戻ることです。
この記事では、「修正が多いデザイン案件の共通点」というテーマで、最初のヒアリングで足りていないものは何かを整理します。
単に「しっかり聞きましょう」という一般論ではなく、どこが抜けると手戻りが起きやすいのか、どう確認すれば修正回数を減らしやすいのかを、実務目線で分かりやすく解説します。
なぜデザイン案件は修正が増えやすいのか
修正が多いのは必ずしも制作側だけの問題ではない
デザイン案件で修正が多いと、つい「デザイナーの理解が足りなかったのでは」と考えがちです。
もちろんケースによってはそうした問題もあります。
ただ、実務ではそれだけで説明できないことが多いです。
制作側は、最初に共有された情報をもとに形にしていきます。
その前提情報が曖昧だったり、判断材料が不足していたりすれば、初稿がずれる可能性は自然に高くなります。
つまり、修正の多さは制作スキルだけでなく、依頼前後の整理の精度にも大きく左右されます。
手戻りは“後半”ではなく“最初”に原因があることが多い
手戻りは、作業の途中で急に生まれるように見えます。
しかし多くの場合、原因は後半ではなく最初にあります。
- 目的が曖昧
- 優先順位が曖昧
- 誰向けかが曖昧
- 誰が最終判断するかが曖昧
こうした曖昧さは、初稿が出るまでは見えにくいです。
だからこそ、「最初は問題なかったのに、途中から大変になった」と感じやすくなります。
ヒアリング不足は見た目ではなく判断基準の不足として現れる
ここはかなり重要です。
デザイン ヒアリング 不足というと、聞く項目が足りなかったと考えがちです。
もちろんそれもあります。
ただ、より本質的なのは、判断基準が共有されていないことです。
たとえば、
- おしゃれにしたい
- 分かりやすくしたい
- 高級感を出したい
- 反応を取りたい
こうした言葉だけでは、具体的な判断基準になりません。
この曖昧さが残ったまま進むと、修正のたびに評価軸が変わりやすくなります。
修正が多いデザイン案件の共通点
1. 目的が曖昧なまま進んでいる
修正が多いデザイン案件の共通点として、まず挙げやすいのがこれです。
「チラシを作りたい」「LPを作りたい」「ロゴを作りたい」は決まっている。
でも、それで何を達成したいのかが曖昧なまま進んでいる。
目的が整理されていないと、デザインの正解も定まりません。
問い合わせを増やしたいのか、認知を広げたいのか、信頼感を高めたいのかで、見せ方は変わります。
2. 誰に向けたデザインかが浅い
ターゲット設定も、手戻りが増える原因になりやすいです。
「女性向け」「経営者向け」「地域の人向け」といった大きな括りだけでは、実際の見せ方を決めるには足りないことがあります。
重要なのは、誰が見て、何に反応し、何を不安に感じるのかまで考えることです。
ここが浅いと、初稿を見た後で「ちょっと違う」が起きやすくなります。
3. 参考イメージの共有だけで終わっている
制作 ヒアリング 項目として、参考デザインの共有はよく行われます。
これは有効です。
ただし、参考画像を見せるだけで終わると危険です。
なぜなら、同じ参考画像を見ても、
- 色味が好き
- レイアウトが好き
- 雰囲気が好き
- 余白感が好き
- 信頼感の出し方が好き
など、見ているポイントが人によって違うからです。
参考はあくまで補助であり、何が良いと思ったのかまで言語化することが必要です。
4. 判断者と決裁者が整理されていない
これは実務でかなり多いです。
最初は担当者とだけ話して進めていたのに、後から上司や他部署の意見が入ってくる。
その結果、方向が大きく変わる。
この場合、初稿が悪いのではなく、誰の判断で進めるかが整理されていないことが原因のケースも多いです。
5. 優先順位が決まっていない
デザインでは、すべてを同時に最大化することは難しいです。
分かりやすさ、印象の強さ、情報量、ブランド感、親しみやすさ。
これらは両立できる部分もありますが、優先順位なしに全部求めるとブレやすくなります。
「何をいちばん優先するか」が決まっていない案件ほど、修正が増えやすいです。
最初のヒアリングで足りていないものとは
“何を作るか”より“何のために作るか”
最初のヒアリングで抜けやすいのは、制作物の目的です。
サイズや仕様、掲載内容は確認している。
でも、「何のために作るのか」が浅い。
これはかなり多いです。
要件整理 デザインで大事なのは、制作物の情報だけではなく、その背景です。
なぜ今これを作るのか。
何を変えたいのか。
どんな行動につなげたいのか。
ここが明確になると、判断がしやすくなります。
デザインの好みより先に見るべきこと
ヒアリングで「好きなデザイン」を聞くことはあります。
ただ、好みだけを中心に進めると、後からブレやすいです。
好みの前に整理したいのは、
- 目的
- ターゲット
- 現状の課題
- 競合との差
- 成果として何を求めるか
です。
好みは方向づけの参考になりますが、判断の土台にはなりにくいことがあります。
成功の定義とNGの定義
これも足りないことが多いです。
成功の定義とは、「この状態ならOK」と言える条件です。
逆にNGの定義とは、「こう見えるのは避けたい」という線引きです。
たとえば、
- 信頼感は欲しいが堅すぎるのは避けたい
- 高級感は出したいが冷たく見えるのは避けたい
- 親しみやすくしたいが安っぽく見えるのは避けたい
こうした線引きがあると、修正の方向が整理しやすくなります。
修正を減らすための確認項目
制作前 確認事項として、最低限整理しておきたいのは次のような点です。
| 項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 目的 | 何を達成したいのか |
| ターゲット | 誰に見せたいのか |
| 優先順位 | 何を最優先にするのか |
| 参考 | 何が良いと思ったのか |
| 判断者 | 誰が確認し、誰が決めるのか |
| NG | 避けたい印象や表現は何か |
このあたりが揃うだけでも、手戻りはかなり減らしやすくなります。
よくある誤解
細かく聞けば聞くほど良いわけではない
ヒアリングは大事ですが、項目が多ければ良いとは限りません。
細かいことを大量に聞いても、目的や判断基準が曖昧なら本質は見えません。
重要なのは、情報量よりも、判断に必要な軸が取れているかです。
参考画像を集めれば伝わるわけではない
参考画像は便利ですが、万能ではありません。
画像そのものではなく、「どこが良いと思ったのか」を共有しないとズレは残ります。
修正が多い案件ほど丁寧、とは限らない
修正が多いと、関係者がしっかり関わっているように見えることがあります。
ただ、改善のための修正と、方向が定まらない手戻りは別です。
問題なのは修正の有無ではなく、同じ論点で何度も迷う状態です。
実務で起きやすい失敗例
最初は“いい感じで”進めてしまう
「まずはラフに」「いい感じでお願いします」は、関係ができている相手なら成立することもあります。
ただ、新規案件や整理が必要な案件では危険です。
曖昧なまま進めると、初稿の段階で方向の違いが表面化しやすくなります。
初稿を見てから方向を決めようとする
これも多いです。
最初に決めるべきことを決めず、「一度作ってもらってから考えよう」と進める。
一見効率的ですが、実際には大きな手戻りの原因になります。
関係者が後から増えて意見がぶれる
最初の打ち合わせにはいなかった人の意見が後から加わると、評価軸が増えます。
そして、その人たちの間で判断基準が揃っていないと、修正は長引きやすいです。
修正回数を減らすための進め方
制作前に要件を言語化する
デザイン依頼 伝え方で最も重要なのは、感覚を言語化することです。
ふわっとした希望を、そのまま制作側に投げるのではなく、できるだけ整理して伝える。
これだけでもズレは減ります。
初稿前に方向性を確認する
最初から完成形に近いものを作るより、方向性を小さく確認するほうが安全なことがあります。
たとえば、トーン、レイアウト方針、見せ方の優先順位を先に共有する方法です。
修正の基準を共有しておく
「何が良い修正で、何がブレになるのか」を共有しておくと、やり取りが安定します。
見た目の好みだけで判断すると、修正の軸が毎回変わりやすいです。
見た目ではなく目的で判断する
最終的にはここが大事です。
修正を入れるときも、「この修正で目的に近づくか」で判断したほうがブレにくいです。
単に好みで足し引きしていくと、制作全体が迷いやすくなります。
こんな会社ほどヒアリング設計を見直したほうがよい
毎回なんとなく修正が増える
特定の案件だけでなく、毎回同じように修正が多いなら、制作力より進め方に原因があるかもしれません。
デザイン依頼 伝え方に自信がない
依頼時に「何をどう伝えればいいか分からない」と感じるなら、ヒアリング以前に整理の型が必要です。
社内の意見がまとまりにくい
この場合は、制作会社とのやり取り以前に、社内で判断軸を揃える必要があります。
それがないと、外部とのやり取りでも修正は増えやすいです。
よくある質問
デザイン案件で修正が多いのは普通ですか?
ある程度の修正は一般的です。
ただし、毎回大きく方向が変わるなら、最初の整理不足を疑ったほうがよいです。
ヒアリングでは何を一番重視すべきですか?
何を作るかより、何のために作るかです。
目的が曖昧だと、その後の判断がぶれやすくなります。
参考デザインは多いほど良いですか?
多ければ良いとは限りません。
数よりも、何が良いと思ったのかを言語化することが重要です。
修正回数を減らすには依頼側が何をすべきですか?
目的、ターゲット、優先順位、判断者をできるだけ整理して伝えることです。
これだけでも手戻りは減りやすくなります。
デザイン会社に相談する前に社内で決めておくべきことはありますか?
あります。
誰が確認し、誰が最終判断するのかは、事前に揃えておいたほうが進行しやすいです。
まとめ
修正が多いデザイン案件には、いくつかの共通点があります。
目的が曖昧。
ターゲットが浅い。
参考共有だけで終わっている。
判断者が整理されていない。
優先順位が決まっていない。
こうした状態で進むと、初稿がずれるというより、そもそも判断基準がないまま進んでいることになりやすいです。
ただし、ここで大切なのは、修正そのものを悪者にしないことです。
修正は、改善のための正常なプロセスでもあります。
問題なのは、同じ論点で何度も迷う手戻りや、後半になって大きく方向が変わることです。
だからこそ、修正回数を減らす方法は、後から頑張ることではありません。
最初のヒアリングで、何が足りていないかを整理することです。
「いつも修正が増える」「依頼のたびに手戻りが多い」と感じているなら、見直すべきはデザインそのものだけでなく、進め方かもしれません。
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